「魔性の貌(Mink)」の感想・その2(まとめ)

なんとか自力で一通りエンディング*1を見た。短いゲームの方が実は性に合っているのか。
まず、ゲームの各要素に対する印象を10点満点で。

  • CG/ 8 (デフォルメの少ない絵柄なのであまり古さは感じられない。→公式サイトの紹介
  • シナリオ/ 7 (終盤が完全に一本道なのがちょっと不満)
  • キャラ/ 7.5 (主役の麗香は存在感がある)
  • システム/ 5 (スキップと回想がないのが痛い)
  • エロ/ 7 (一つ一つのシーンは短め)
  • 音声/ 7 (麗香の大人過ぎる声に最初は違和感が)
  • 容量/ 6 (エンディングは多いけど、一回のプレイ時間は3時間ほど)
  • 総合/ 7 (発売時期を考えれば上出来)

以下、各要素についての補足。CG、システム、音声に関しては最初の感想で書いたので、それ以外について。
<シナリオ>
基本的に一本道。ボリュームの関係もあって、日常描写は挨拶するとか食事するとかの最低限のもので表現されている。
序盤から前半は麗香の誘惑行動がメインで、麗香本人や家族の痴態を見せつけられて悩むシーンが続く。実際に主人公がことをいたしてしまうのは後半からになる。
<キャラ(ヒロイン)>
やはりボリュームの関係上、エロに個性を発揮する麗香以外は元々主人公と持っている関係以上のものがテキストからは読み取りにくい。

  • 麗香 一人だけ色違いで丈の短いセーラー服は転校生だからいいとして、口紅を塗っているとしか思えない紅い唇に爪にはマニキュア、さらにはガーターベルト装備、とビジュアル的にもとても堅気の人間には見えない。どうでもいいけど、最初に階段で出会う場面は、主人公が来るのを待ってわざわざ下着が見えるようなポーズを取っていたのだとしたら相当な凝り性である。(笑)
  •  主人公にとっては幼なじみの智に次ぐ聖域とみなされている。その分、自室でオナニーをしているところを目撃した時のショックは大きい。
  • 芳恵 終盤の乱交シーンとか一部のエンディングのせいか、野菜を突っ込まれる人というイメージが。(笑)
  •  ひそかに主人公が思いを寄せていたキャラだけあって、唯一肉欲だけが動機でない行為の相手になっている。演じる声優さんは特に通常のシーンの演技がよい。個人的にはこのキャラだけオナニーを目撃するシーンがなかったのが残念。

個人的なキャラの好みでいうと、「智>麗香>茜>芳恵」かなぁ。
<キャラ(主人公)>
作られた時期のせいもあるかもしれないけど、意外に倫理観が強い(オナニーは好きみたいだが(笑))。15日間の物語で実際に主人公が家族と過ちを犯すのは13日以降だから、それまでは我慢しているわけである。妹の裸を見てオナニーすることを「人として絶対にしてはいけないことだ」と必死に否定していたりする。
ただ、倫理観が強いとはいってもその手のことには非常に興味のある年頃なのでまるで無関心とはいかない。たいてい、次のような流れで優柔不断な態度をとることになる(カッコ内は内心の声)。

  1. 麗香や智などの裸をうっかり見てしまって欲情する(「あの身体を隅々まで調べてみたい」とか)
  2. しばらくして我に返って見るのをやめようとする(「でも、そんなことをしたら嫌われる or いけないことだ」)
  3. だが、すぐには立ち去らずに迷う(「でも……。やっぱり……」)

まあ、ある意味リアルな反応かな。でも、結果的にはこの葛藤のさせ方によってちょうどいい位置に主人公を(そして物語も)落としこむことができていると思う。あまり易々と動物化されても心理的にシンクロできなかっただろう。最終的には快楽に全てを委ねることになるとしても、それまでのためは必要だから。
なお、麗香に対しては、魅了されつつも最後まで嫌悪感を持っている。

<エロ>
前半は麗香の一人舞台。朝、主人公が起こしに来る時間を見計らってオナニーをしていたり、授業中に主人公の股間をまさぐったり、正面と搦め手の両方から攻める。ゲーム的にエロ方面のサービスも兼ねており、序盤から間断なく刺激があるのでエロが不足することはない。主人公がオナニーばかりしているような印象もあったりするけど。(笑)
後半はいよいよ本格的な行為も出てくるが、今時のゲームに比べれば描写はあっさり目なのはしかたのないところか。シーン単体というよりは、シチュエーションの積み重ねで盛り上げるタイプ。
<エンディング>
一人のキャラにしぼって選択肢を選んでいくとGood Endらしきものになるが、基本的には快楽にとらわれたままなのは24種のうちほとんどを占めるBad Endと変わらない。強いていえば、他のキャラの犠牲が少なかったり、二人の結びつきがより強固になるというくらいの違い。Badだと、選ばれなかったキャラは精神を病んだり、AVの世界に入ったりと散々な扱いになる。
個人的には、味のある余韻を残す第二十部とか、唯一麗香が支配される立場になる第二十四部がお気に入り。(→エンディング一覧
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*1:全部で24通りある。→エンディング一覧