マリア様がみてる 7〜いとしき歳月〜
- 作者: 長沢智,今野緒雪
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: コミック
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黄薔薇まっしぐら 後半は雑誌連載時に感想を書いている。新聞部の三奈子さまの活躍ぶりをしっかり書いているのがよい。祐巳とロサ・ギガンティアがゴロンタにえさをやりながら話している場面は、漫画ではロサ・ギガンティアがいずれリリアンを去ることを祐巳が改めて気づくというシンプルなシーンにアレンジされている。原作にあった志摩子さんの葛藤を説明する部分はカットされているが、漫画にするとかなりページ数を使いそうだからこれは妥当かも。ロサ・ギガンティアの「私はリリアンで傷ついたけれど、救われたのもリリアンだった」から始まる台詞(71P)は結構好きなのでちょっと惜しいが。
いとしき歳月 これも以前に感想を書いている。特に付け加えることもないけど、祐巳が主人公の話はやはり落ち着くというところかな。
片手だけつないで 原作だと志摩子さんの視点も入るのだが、こちらはロサ・ギガンティア側に限定してある。アニメは前、後半でそれぞれの視点を分けるというやり方だったっけ。
時折キャラやリリアンのミニ解説を挟んだりして親切な漫画版だけど、この話では読者が考えなければならないところをわざわざ説明してくれている。たとえば、初めて志摩子さんが薔薇の館に来た時に聖が言った「うっかり口を滑らして」という台詞を蓉子さまが理論的に分析するところ。小説だと少々回りくどかったりするのだが、聖さまに内心で「私が志摩子を意識していると言っているようなものじゃない」と言わせることで台詞の意味を簡単に説明している。
最後のロザリオを渡す場面では、志摩子さんの宗教的な秘密についての聖さまの認識が「その荷ごと愛したい」になっていて、原作の(志摩子さんの側からの描写だが)「彼女は私の着ている物も背負っている物にも興味がないのだ」とはちょっとずれがある気もするが、「鎧のような固い甲冑を脱いだ状態のまま〜」云々は多少(今野先生の文章の癖かもしれないけど)もって回った感じもするからこれでいいのかもしれない。
それにしても、漫画版における志摩子さんの萌えキャラ的表現は相変わらずで、ブラックコーヒーに戸惑うところとか、中庭を走っているところとか小説では表現しようもない小動物的かわいらしさがある。