パンプキン・シザーズ第17話「なお救われぬ闇たち」

maeoki2007-04-10

オリジナルエピソードの12話に見られるように、3課の無力感を強調するのがアニメ版なのだが、この話でも1課の隊長(?)と少尉を一瞬出会わせて「お前たちの仕事はもう終わった」という台詞をぶつけるという場面が入っている。原作にもある、伍長がハンスを救えなかったことにショックを受けている描写も音声のあるアニメだとさらに印象が強いから湿っぽさが倍増している。もうちょっとすっきりさせてくれてもいいと思うのだが。
双剣で少尉が戦うシーンは前回に比べれば多少動きがよくなっている感じだけど、乱戦の雰囲気が出ていないのでどうも爽快感がない。途中から1課の副長と1対1の決闘まがいになっているのは一応原作通りの流れでもあるのだが、1課の他のメンバーが周りで見ているのも改めて見ると何か不自然に見える。俯瞰の視点で全体を見せないほうがよかったかもしれない。副長の口調が少尉を小馬鹿にしている風なのもちょっと違和感がある。漫画だともう少し敬意を払っている気がするし。まあ、この戦闘については鉄砲がダメで剣はいいのか、という疑問もあるんだけど。

恋のドレスとつぼみの淑女/青木祐子

コバルトのサイトで「マリみて」の壁紙を落とそうとしたら横にこれがあって、まず絵に惹かれたというちょっと邪道な方向から興味を持った。去年の8月号に載っていた外伝で雰囲気を確かめた上で買ったので、大体予想通りの内容で楽しめた。
ドレスの仕立て屋の地味な女の子が主人公という設定は割と王道だろうか。お屋敷に家庭教師やメイドとして入るというスタイルの亜流とでもいうか。
単に見た目がいいドレスではなく、着る人の心を表すドレスを作るというのが多少ファンタジックなところで、その心を探ることが物語の流れの基本になるようだ。主人公のクリスも別に千里眼の持ち主ではないから、すぐに何もかもわかるというわけではないし、わかってもできることはドレスを作ることだけなわけだから。ついでにいえば、クリスが自分の心や男の気持ちがわからないというのは、占い師の制約に似ている。自らの恋にその能力を簡単には生かせないとはお気の毒だが、これも物語のお約束かな。
ドレスを作ることで人と関わっていくという特性上からか、お話はクリス自身ではなくお客の女性の身の回りで展開されることになる。とある公爵の息子の妹とその婚約者の話だけど、これはこれで妹の心の内が自分には読めなくて最後までだれずに読めた。公爵の息子シャーロックは女性の扱いに慣れた正統派の色男、妹の主治医イアンはさばけた感じの30男、婚約者アンディはちょっと気の弱い実業家と上手くキャラを配置してある。しかし、こうしてみると主人公の友人のパメラや、あるいはシャーロックの妹のフローレンスにしてもそうだけど、日本人になじみやすい名前ばかりだなぁ。

なでしこ/蓬瑠璃

maeoki2007-04-05

なでしこ (MUJIN COMICS)

なでしこ (MUJIN COMICS)

公式の紹介ページもあるほとんどの作品でヒロインが年上。全体に「エロ>恋愛」といった雰囲気で、あまり話の展開を云々するべき作風ではないかもしれない。基本的に無理やりに行為に及ぶという話はないので気楽に読める。
なでしこ 本のタイトルと同名で全5話。ヒロインは先生で他に同級生と主人公の友人の妹がいる。各話ごとにヒロインと交わっていくのでかなり成り行き任せというか、どのキャラも一種の発情状態にあるようにも見える。絵に慣れていない段階で読んだせいか、最初は先生と同級生のキャラが同じ黒髪なので見分けがつきにくかった。あまり描き分けは得意でない感じ。他の作品にも言えることだが、女の子の柔らかそうで大きな胸、艶のある表情などエロさに関しては十分なレベルだと思う。
Cuty Mummy 年上キャラの究極とでもいうか普通に母親を出しているわけだが、これもエロ漫画のロマンということか。受験のストレスを晴らすためにセーラー服を着てご奉仕という、少々おふざけの入った設定。まあ、これくらい明るい雰囲気の方がフィクションとしてはいいのかもしれないが。
夢見心地 痴漢にあう女の子がヒロインで、唯一男性キャラより年下。視点が女の子にある話なので、本全体のトーンとしては一応統一感が取れているといってもいいかな。お話としては少々強引というか、いくら女の子が先輩に惚れていたからって電車内で交わった挙句に付き合うようになるというのはちょっとどうかと思った。
僕らの秘密の場所 盗撮をとがめた先生が待ち伏せされて生徒数人にあれこれされるという話だけど、調教とかそういう方向にはならない。エロ漫画の年上ヒロインらしい切り抜け方というか、能力値の高さで返り討ちにするというか。上の画像はこの話のものだが、一応自主規制でモザイクをかけてある。
姉ちゃんと僕 上の母親ものもそうだけど、交わることに関してはほとんど葛藤らしいものはない。エロゲーだと完全に弟が好きという設定が多い気もするが、こちらは彼氏がいるので、デートをすっぽかされた不満やうずきが身近な人物に向かったという感もあり。「姉ちゃん」は羞恥心のないエロキャラではないので、そんなにただれた雰囲気でもないけど。
ハプニング・ゲーム 上は実姉のようだが、こちらは兄の奥さんということで義姉。兄も加えての3Pがメインになるけど、そこにもって行くまでの展開がタイトルにある「ハプニング」なわけである。この本の中では一番アブノーマルかな。

ユリア100式第3巻/萩尾ノブト、原作:原田重光

maeoki2007-04-03

[rakuten:book:12006695:detail]
半分くらいは連載時に読んでいるのでそれほど付け加えるべきこともないのだが、相変わらずよくネタが続くことで、本当に感心する。扉絵がいつも正面顔なのは何とかしてほしい気もするけど。印象に残った話について書いておこう。
第18話 あたらしいカンケイ ユリアの妹であるジュリアこと105式が主人を見つける話。相手が18歳未満なのでこちらも寸止め。どうせなら、普通に契約させて完全にエロ担当にするという手もあったと思うけど、やはりそれだとバランスが取れないかな。母親が踏み込んできた来た時にジュリアが身動きせずにドールの振りをして誤解を招くという、ユリア&瞬介とは別のスタイルの落ちが確立されている。
第20話 ブラック・サン 山に山菜狩りに出かける話だが、当然のように瞬介のアレをキノコに見立てる場面あり。さらには、蜂に出くわしたところで「頭を隠す→アレを隠す」というユリアの勘違い行動でいつものエロ展開に。隠す場所はユリアの口とあそこである。個人的には、熊に襲われたら、という瞬介の心配に「大丈夫ですよ。イッたフリすれば…♡」と返すユリアの台詞がベタながらツボに入った。
第21話 カノコン 学園祭で彼女コンテストに出る話。ユリアが髪形を変えてまりあの振りをするのだが、意外と読者には区別がつく絵になっているのは目元や口元の表情がかなり違うせいだろうな。
第22話 ユリア・リブレ 瞬介の特技であるプロレス技を最大限に活用した話である。いつものごとくアレに取り付くユリアの行動をいちいちプロレスの技として実況するというプロレス部員の行動がいかにもおかしい。インプリンティングに必要な3秒という時間をフォールのカウントと合わせたのは事前に考えていたことかどうかわからないけど、上手くはまっている。
奥さまはユリア100式 描き下ろし。二人が結婚したらという設定だけど、やはり寸止めなのは変わらない。まあ、最終回でもそんな調子になりそうな漫画だし。

Cobalt4月号

maeoki2007-04-01

表紙 去年の12月号と同じ祐巳瞳子の組み合わせだが、祐巳はともかく瞳子の今までになく自然で穏やかな微笑みは10日ほど後に出た最新刊のネタバレになっているような気がしないでもない。まあ、その前の「クリスクロス」でほとんど決まっているといってもいいけど。よく見ると目の大きさが違うのがわかる。
四月のデジャブ 見事に引っかかってしまった。結末を書くと思い切りネタバレになるのでぼかすが、今までありそうでなかった「姉妹」という言葉の使い方が鍵になっている話。あまりにも基本的過ぎて使わなかったのかもしれないけど。読みきりだから使えるともいえるし。病室ネタは「降誕祭の奇跡」でもあったな。
内心の葛藤を書くのが上手い作者だけにデジャブの正体について悩む主人公にはすんなり同調できた。最後もきれいにまとまっているし読後感はいい。それにしても、あっさりあの言葉を言っているところが山百合会の面々でない気楽さなのか。まあ、実際のところは作中で1年経っているわけなんだけど。

コンプH's vol.3

maeoki2007-03-30

女の子キャラをクローズアップした内容と、ピンナップの多さはメガミマガジンと似ているが、声優さんの写真が多いのが違いかな。煩悩の度合いは結構迫ってきている気もするが、まだまだだろうか。
Wヒロイン特集 もう一つの作品にはあまり興味がないので、ハルヒの方だけ。アニメ放送開始からそろそろ1年になろうとしているという記述は確かに意外だ。放送が終わってからも色々グッズが出まくっていたから去年の後半もやっていたような印象があるしなぁ。「涼宮ハルヒの軌跡'06〜’07」と題して去年の2月からのハルヒ関連の出来事を2ページにまとめている。
他に、平野さんの4ページのグラビア&コメントがあるのだが、ちょっと髪を茶色にしているのとまつげを少し強調した化粧のせいか、ちょっと某外国人アイドル風に見える。特に最初のソファーの肘掛にもたれている写真とか。
マタアイマショウ 放送が今月で終了した作品を振り返っている。「SHUFFLE! MEMORIES」はシア中心の内容だが、1ページ目のリンとのキス目前のような絵が妖し過ぎる。服が乱れているわけでもないのにそういう雰囲気が出せるのは同性ならではかもしれない。
集まれ! トリプル・パワー 「すもも〜」、「セイントオクトーバー」、「ロケットガール」について各作品の3人の女の子キャラを取り上げて、それぞれの声優さんのインタビューを載せている。1ページ目の半分くらいを声優本人の大きな写真が占めているのが特徴。個人的にはそれ程うれしい仕様でもないのだが。
あなたの萌える1票を! 選挙が近いからってこういう企画でいいんだろうか。10以上の作品から選挙活動風にそれぞれ会長候補を担ぎ上げるという内容。「ゼロ使」が王女殿下自ら出陣というのは意外だけど、よく考えればわからないでもない。これでルイズがでしゃばるようだと世界観がいくらなんでも崩れてしまう。ネタに走っているのは「ハルヒ」のみくる候補とか、「SHUFFLE!」のプリムラ候補とか。まさに御輿以外の何者でもない。
ピンナップ 全部で15枚。記事の方ではシアとリンだった「SHUFFLE!」だが、こちらは亜沙先輩と楓。二人でシーツに身体を包んで横になっているという構図。表情が穏やかなのでそんなにエロではない。
4ページ分の長さを使ったハルヒの横長のものは、ハルヒ、みくる、鶴屋さんの浴衣姿を同じく浴衣の長門キョン妹が撮っているという絵。それぞれのキャラに合った表情がよい。他に、健康的かつ直球なお色気ということでは競泳水着を着たシャーリーが座って休んでいるものとか。表情はあくまでも明るいが、胸や腰の線がかなり凶悪。ちょっと右太ももが太すぎるように見えるのが気になるけど。
H's information 「HOBBY」のコーナーでフィギュアが紹介されているんだけど、ハルヒのみくるとか長門は既に(少なくともネットでは)ほとんどの店で予約が終了しているから情報としての意味がないというのも困るところ。紙媒体の弱点としてはしかたないのか。
ちょっとH'sな福袋 袋とじで、色々なアニメのキャラの下着姿のシーンを集めている。いわば煩悩の極みをこういう形態で実現させているわけだが、4ページの中に20作品以上のものを詰め込んでいるので一つ一つが小さいのが難点かも。基本的に身体の全部は見せないことが前提の一般作品ではいくら集めてもエロとしては物足りないというのもあるし。間に「京四郎」の空とせつなの(当然これも)下着姿の絵が入っている。
ハルヒ」スクールカレンダー(付録)今まで雑誌の記事などで使われた絵の再録も兼ねている模様。ほとんどアニメ版の絵だが、一つだけのいぢ氏が描いたものもあり、これを見るとやはり原作の挿絵は全体に華奢でほっそりした感じがする。表紙はいつもの3人が指で「2007」を作っているという絵。ハルヒが両手でピースサイン長門が左手で「0」、みくるが右手で同じく「0」、左手で「5」(ハルヒの左手の「2」と合わせて「7」)というわけだが、それぞれのキャラらしいポーズになっているところが上手いと思う。

パンプキン・シザーズ第16話「切り裂きし者」

maeoki2007-03-28

予告の締めの言葉でも使われている少尉の台詞「臆さぬならばかかってこい!」がある回だけど、肝心のアクション部分が漫画に負けている気がする。絵自体はいいが動きが感じられないという前回と同じ印象を持った。3課が車で現場に到着してから少尉が戦い始めるまでの間が長く感じられるのも緊張感をそぐ原因の一なのかもしれないが。各キャラの台詞や行動は漫画を忠実になぞっているのにそう見えるのは、演出にはったりが利いていないということなんだろうか。「そも拝命十三貴族とは〜」から始まる少尉の長口上を1課の面々が棒立ちで聞いている(ように見える)ものだからまるで素人だし、せっかくの決め台詞も浮いて聞こえてしまう。