「薔薇のミルフィーユ」の感想・その2

今日は白薔薇編だけのつもりだったが、最後まで読んでしまった。それもこれも白薔薇編の志摩子さんが強烈過ぎたせいである。また電波とかいわれるようなことをしちゃっていいんだろうか。時間がないので、感想は白薔薇編だけ。
なんというか、

  • 兄と乃梨子を止めるために「ストーップ!」という志摩子さん。
  • 確かに響きはいいけど、「お兄さま」? 
  • 兄とはいえ男性に両腕を掴まれたり、兄の知人に彼女と間違われたり*1

と、各所で志摩子さんの神聖なイメージが崩れて俗な方面に流れている気がするのだが。
一つ目はやはり、普通に日本語で「止めて!」の方がいいだろうし、二つ目の「お兄さま」は「兄さん」の方がプライベートな場には合っていると思う。何より「お姉さま」に近い響きの言葉だけに、家族とはいえリリアンの関係者でない人間に使うと何かなじまない。最後のは自分でも神経質過ぎるかとは思うけど、今までそういう場面がなかっただけにどうもね。「志摩子さんが穢れてしまった」とまでは言いたくないけれども。
そしてとどめが最後の狂気(?)の笑いである。まあ、いきなり訳もなく笑い出すという行動自体は、俗とは方向性が違うけど、笑い方がいささか志摩子さんらしくないところもあって。「あっはは」はまだしも、「ふふふははは」は悪の秘密組織のボスじゃあるまいし、何とかしてほしかった。令さまの「ギャハハハハ」*2に比べればまだましかもしれないけど。
そういえば、先走りでなんだが、あとがきで今野先生が

三つの物語には、いくつか同じ部品を入れ込んであります。例えば「お菓子」「車」「男の人」。

と書いているけど、最後の「男の人」は、もっと細かく言うと「妹の立場から見て姉との関係に水を指す男の人」だろうな。安定している姉妹関係に危機感を持たせるためとはいえ罪なことをしてくれる。

*1:ついでに「男ができた」疑惑まで。これはまあ、志村タクヤ氏のことなのでまったくの誤解だけど。

*2:涼風さつさつ」116P。