「薔薇のミルフィーユ」の感想・その1

表紙の絵の妙な色気(特に祐巳)に多少違和感を感じる。目じりの下辺りの赤みと小さく描かれた口のせいだろうか。中の絵を見るとそれほどでもないのだが。とりあえず、最初の黄薔薇編を読んでの感想を書く。
前巻で由乃の妹候補になった中学生有馬菜々が再び登場。由乃との本格的な会話はこれが初めてだが、最初はずいぶんそっけない。かと思うと由乃の心境を分析して自分から相手を引っ張る行動力を見せたりしてよくわからないキャラである。ちょっと乃梨子にかぶる感じも。57P辺りの冷静沈着な振る舞いなどは特にそんな雰囲気。
中学生ゆえに由乃のことをよく知らなくて、またつぼみであることも気にかけないそぶりをする菜々に由乃が新鮮な感動を覚える場面(22P)はいい。姉妹の関係を一から築くことに憧れを持っている由乃にとって、中学生の妹候補は理想の環境にいる相手なのかもしれない。まあ、早くから薔薇さま達についての情報を手に入れていた笙子のような例もあるわけだが。
それにしても、令ちゃんのお見合い相手がどんな男性なのかは途中の場面(58P〜)で丸わかりである。今さら男性キャラを増やしてどうするんだろうと思ってたけど、こういうタイプであれば必要以上に話には絡んではこないだろうしいいのかな。