「妹オーディション」の感想・その1(57Pまで読了)

現物を手にしてから、「すーる」オーディションという読みだった*1ことに初めて気づいた。語呂としては「いもうと」の方がいい気もするんだけど。
普段は本文を読む前に目次を見たりしないのに、つい見てしまったのは先の展開が気になったからだが、最後の章が「収穫」となっているところを見ると祐巳の妹が決まったわけではないのかなぁ*2。まあ、最後まで読めばわかることだけど。(笑) タイトルにも書いたように、57P(第一章の「是か非か オーディション」)まで読んだ段階での印象をざっと書いてみる。

  • また微妙に絵のタッチが変わっている。表紙だとカラーなのでわかりにくかったけど、白黒だと線がよく見えるので。しばらく目がまん丸だったのが、若干四角くなっているような。
  • セルフカバーのように過去の台詞やシチュエーションを引っ張り出してくるのは賛否両論かも。それだけこのシリーズが長いということなんだろうけど。「イン ライブラリー」の48Pでもあった、薔薇の館の2階の扉を開けたら誰かにぶつかる、もしくはぶつかりそうになるというシチュエーション*3は今回も。
  • (上の続きで)「横暴ですわ、お姉さまの意地悪」をあろうことか祥子さま本人に(まあ、他に相手がいるわけもないけど)ぶつける祐巳の度胸には驚きと共に拍手。こういう読めない行動をするところが主人公たる所以。祥子さまが笑って受け流している*4あたりも心境の変化を表していて面白い。
  • 令さま「集団見合い、ってこと?」 / 祥子さま「古いわね、それをいうなら合コンではなくて?」って……。何か語尾のお嬢様言葉とかみ合ってない気がするのは自分だけだろうか。
  • なぜか瞳子の世話を焼く乃梨子。たとえ不穏当な手段であったとはいえ、志摩子さんと姉妹になるきっかけを作った人物だけに恩義を感じているのか。

(以下は、翌日読みなおして付け加えた部分)

  • 視点が祐巳由乃乃梨子とよく入れ替わるので最初は(特に由乃のパートは)誰の視点かわかりくいところも。
  • 考え事をしている乃梨子瞳子が声をかけたときの場面で、「キスしそうなくらい近くに瞳子の顔が接近していた」とはまたえらく艶っぽい表現を持ってきたものである。乃梨子志摩子の関係は唯一絶対のものではあるけれど、乃梨子×瞳子という関係もここのところ強調されてきている。クラス内では孤高の立場を持つ者同士のつながりともいえるが。

*1:公式のオススメ文庫のページでは一応読みも表記されている。ちなみに、このページのシリーズあらすじの末尾にある「笑って泣ける青春物語」というコピーはなかなかいいと思う

*2:収穫という言葉は一定の戦果があったことは示しても、完全に大勢が決したことを示してはいない気がするから

*3:イン ライブラリーでは瞳子、今回は令さま

*4:もしかしたら、昔の自分の台詞だったことを忘れているという可能性もあるけど