雑誌「Cobalt」4月号の感想

  • 今回の表紙はかなりいい。今まで単なるバストショットの絵が多かったけど、「イン ライブラリー」でひびき先生も一皮むけたのかな。
  • プレゼントにデジタルオーディオプレーヤーとか自転車とか結構ほしいものがある。でも、たいていはがきを出すのを忘れる。相変わらず当選者の名前は女性ばかり。一人、祐って人がいるけど。
  • 第三回プチポエムグランドチャンピオンと優秀作の発表。個人的には最初の二つのポエムは理が勝ちすぎていてあまりピンと来ない。三つめのは素朴な魅力があるが、オノマトペが平凡すぎる感あり。
  • 伯爵と妖精 恋占いをお望みどおり」(谷瑞恵:「魔女の結婚」は割と読んでいるけどこれは初めて読んだ。前作のマティスは極めて無愛想な男だったが、今度のはかなり軟派なタイプ。あまりむっつりしたのばかり書いていると正反対のを書きたくなるのか。ピクシーとかホブゴブリンとか既存のファンタジー世界の用語を説明なしに使うのが時々気になるところ。あっさりした軽い文体なのでどうも正統派の言葉はなじまないし、借り物めいて聞こえる。基本的なストーリー構成とか伯爵と主人公リディアの痴話げんかっぽい絡みなどは十分よくできていると思うんだけど。
  • マリア様がみてる 不器用姫」(今野緒雪:9ページの読みきり。すれ違いの物語なので、「チョコレートコート」(『イン ライブラリー』収録)と系統としては同じ。山百合会の面々だと多少もめても最終的には仲直り、なんだけどそうでない関係もあるということかな。本編がこのところまったりしていて胸の痛くなるような雰囲気にはなかなかならないので、雑誌の外伝で作者的にビターな成分を補完しているのかも。あと、48Pで志摩子さんが今回の主人公寛子に「(三池*1さんは)あなたの妹さん?」と言っているんだけど、ちょっとこの「さん」付けに違和感がないでもない。志摩子さんと寛子はそれほど親しい間柄でもないようだから気を使ってそう言ったのかもしれないけど、ここは普通に「三池さんはあなたの妹なの?」とした方が志摩子さんのエレガントな雰囲気には合っている気がする。「妹さん」だと何かざっくばらんに過ぎる感じで落ち着かない。

*1:寛子の妹的存在。だが、それは寛子の一方的な思い込みだった