第40話 「さくらと夢の中のさくら」の感想

前半の街で遊ぶシーンは苺鈴の独壇場。意外に今まで目立つ場面がなかったからなぁ。演じるゆかなさんも、今となっては「プリキュア」のほのかのイメージを完全に排しては聞けない声だけど、独特のキュートな魅力が堪能できる数分。変な喩えだが、上品な甘さに抑えられたケーキの一層だけ強烈な甘さがあるような感じの声。
第34話「さくらと雪兎と昼の月」と同じくこの話でも「ヒトリジメ」がワンコーラスかかる。今回はウェディングドレスを見て恋に恋する乙女の心情を爆発させている苺鈴のテーマ曲といっていいかな。いつも思うけど、明快に通る声の中で「ひ〜と〜りじ〜めしたい〜」のあたりだけ舌足らずな感じになるのが面白い。もっと言うとら行の音、母音がいの音にその傾向があるような気がする。
さくらと苺鈴がもぐらたたきゲームをしている時に知世がうれしそうに「二人とも息が合っていますわ」と言っているのに対して小狼が「うん……」とずいぶんと気のない返事をしているのはなんなのだろうか。助っ人参戦する前の苺鈴に「ずーっと撮ってんのね」と聞かれて「1フレたりとも録り逃すわけにはいきませんもの」と返す知世も知世だが。
アニメで出てくる恋愛映画はなぜこうもベタなのかといえば、それを見るキャラも基本的にはベタだから、というしかないけど、まあ、変に凝ったものを出してもギャグにしかならないし。「この海は僕たちの教会だ」ってのもすごいキザ台詞。ドリームのカードが見せる夢の映画館の中でさくらに自らが集めたクローカードを手渡す自分を見てしまう小狼。これが願望の映像化だったらまだいいけど、予知夢といわれてはさくら×小狼は決まったようなものなのか。
いざさくらが夢の世界に入ってもう一人の自分とガラス越しに会話する場面で、「大丈夫だよ」という声とともに今までのクローカードとの戦いなどが回想されるのは、さくらのしてきたこと、特に仲間を思いやる気持ちが正しかったことを示しているのかな。あと、ドリームのカードが蝶の形をしているのは「胡蝶の夢」がモチーフ?