マリア様がみてる 5(副題:「〜びっくりチョコレート〜」)

マリア様がみてる 5 (マーガレットコミックス)

マリア様がみてる 5 (マーガレットコミックス)

これまで同様いい仕事をしている。原作の小説を読むのとはまた違う感覚で同じ物語を楽しめるのが漫画版のいいところで、アニメ版もその意味では同じだったりするのだが情報量にはずいぶん差がある。細かい表情の変化とかちょっとした内面のつぶやきをほんの一コマで表現できるのが漫画の利点かな。
情報量の多さ(あるいは漫画オリジナルの部分)で得をしているのが以下の二人。

  • 三奈子さま 騒動のきっかけを作るちょっとはた迷惑な人物ではあるけど、話に勢いをつけるには格好の役どころで存在感がある。漫画ではその自信過剰で図太いところがよく出ていていい。薔薇の館に入ってきたときに及び腰になっている祐巳にかける台詞「尻尾がお腹の下に入っちゃってる子犬ちゃんみたい」がないのは残念だったけど。志摩子さんに先輩としてバレンタインの企画を頼んでいる場面で髪がメデューサのごとく蛇になっているのには笑った。
  • 志摩子さん 何やらこの作品におけるわかりやすい「萌え」要素*1を一手に引き受けている感じだけど、「普段は落ちついているが、大事な人のことだと精神的に弱い部分が見える」というのは男女問わず魅力を発揮するものなのか。渡すはずだったケーキを探している場面と、それに続くロサ・ギガンティアがケーキについて話している場面は原作でも志摩子さんの常にない表情の変化がいいのだけど、漫画で絵にするとなおのこと破壊力がある。

絵的には4巻で少し気になっていた<目が小さい>と<顔が微妙に面長>なのを修正したのか3巻の頃の絵に戻っている感じ。個人的にはこちらの方がかわいくていいと思う。特に祐巳由乃は。

*1:早い話が「頬を染める」場面が多いということ。