ARIA #10、#11

第10話「その ほかほかな休日は・・・」

原作2巻の「雪虫」と「桃源郷」が合わさっている話。未来なのに暖炉を使うという古めかしさがこの作品らしい。どうでもいいけど、薪を拾いに行くのも温泉に行くのも制服なのが変といえば変。結構寒そうだし。もうちょっと動きやすい服装がありそうな気もするのだが、いらぬおせっかいだろうか。
古い屋敷をそのまま温泉にするという設定は原作通り。しかし、湿気を始終浴びているとなおさら建物の老化が進んでそのうち倒壊するんじゃないかとか無粋な突込みをしたくなる。バスタオルを巻いて入るのも原作通りだけど、泳ぐ時くらい外したらいいのでは、というかその状態でよく平泳ぎができるなぁ。
夕食で灯里がビールを飲んで「にがにがです――」という場面がなかったり、二回目に入ったときに海との境で「桃のカクテル」を飲むところが「桃のソーダ」になっていたりするのは、灯里たちが未成年だから配慮したのかな。

第11話「その オレンジの日々を・・・」

アリス「いつか、いつの日かそういう日が来るんですね」

特に奇をてらったところもないのだが、実によくできた話である。いい(恥ずかしい?)台詞もぽんぽん飛び出すし、三大妖精の修行時代に焦点を当てた話だけど、それを今の後輩たちの関係と結びつけるという展開がよい。時間の経過というものをネガティブに捉えるのではなくあくまでも良い方に捉えるという点でも。
三大妖精とその後輩たちそれぞれの会社ごとに括るなら、アリアカンパニーの二人は天然で、姫屋の二人は熱血、オレンジプラネットの二人はダウナー系という感じだろうか。最後の二人はかなりタイプが違うんだけど。
過去の回想の場面ではそれぞれの声優さんがきちんと若い声を出しているのが細かい仕事。まあ、むしろお姉さんキャラとして声を作らなくてよかったりするのかもしれない。
アリスと藍華を灯里が送っていく場面ではいつも冒頭にワンフレーズだけかかる「シンフォニー」が長めに流れている。演出が丁寧であれば音楽は何でもよかったりするのかもしれないけど、ここはいい使いどころだと思う。顔を真っ赤にしながら何度も「また明日ね〜」を繰り返す灯里は何ということもない台詞に万感がこもっていてよかった。