第22話「新しい明日へ」

早い話がエピローグを丸々一話使ってやっているようなもので、ここのところ影の薄かった脇役陣が総出演。後で書くが、最後以外はひたすらのどかな雰囲気である。
放送部に入るとかでかなり吹っ切れた様子のネリネはともかく、シア(というか裏のキキョウか)はリベンジする気満々で「いい女になってみせる」と勇ましく宣言。それで家に帰って何をするかと思えばお菓子作りだからかわいいものだけど、「神界は一夫多妻制だから」ってそれでいいのか?
一緒に部屋を見に来て文字通り恋人同士というか新婚さん状態の稟と亜沙先輩は相変わらずラブラブな雰囲気。キスした後お互い頬を染めて見詰め合っていて実に初々しいのだが、傍から見れば勝手にしてください状態かも。
稟が住んでいた部屋をそのままにしておいて「いつでも……泊まりに来てくださいね」と言う楓は数話前の狂気が嘘のようにいじらしい。「目覚ましは2個つけて、お掃除はまめにして……」などと新生活への注意を述べている間に気持ちがこみ上げてきて泣いてしまうというのもお約束ではあるが、どちらかというとこれは母親が息子を送り出す時の態度のような気がしないでもない。その瞬間は稟の顔を映しておいて楓の涙に気づかせるという演出がよい。
引越しの手伝いにメイドってのもどうかと思うけど、シリアスな話ではできなかったサービスをここぞとばかりにしているということだろうな。最初に正統派のメイド姿のネリネで稟を驚かせておいて(まあ、普通は驚くだろう)、さらにプリムラネコミミ&しっぽ装備の少女メイドとは手がこんでいる。しっぽが動いているのは魔法なんだろうか。
カレハ先輩の気になる人は稟であるということを聞いて泡を食う亜沙先輩がおかしいが、ここでも出てくる「神界は一夫多妻制ですから」。実に便利な言葉である。「2号さんでいいから」とかだとちょっと破れかぶれな感じだしなぁ。
稟と亜沙先輩を取り巻く人々の描写が一回りしたところで再び二人が新居で夕暮れを眺めながらいい雰囲気、またキスをしようとしたら亜沙先輩が倒れたところで次回である。確かにこのまますんなり行くとは思えなかったけど、できれば死なせないでうまくまとめてほしい。