ゼロの使い魔 1、2/ヤマグチノボル

ゼロの使い魔 (MF文庫J) ゼロの使い魔(2) 風のアルビオン (MF文庫J)
三日ぐらい前から感想を書こう書こうと思っていたのだが、言葉にするのはけっこう難しい。個人的に、感想の書きやすさは「アニメ>漫画>ライトノベル=ゲーム」なところがある上に、特に奇をてらったところはないけど普通におもしろい作品というのはかえってそのおもしろさを説明しにくいのである。まあ、理論的に説明しようとすると深みにはまるので、できるだけ思いついた通りに書いてみよう。
件の作品を知っている人なら誰でも思うのが「これって『ハリ○タ』?」ということだろうけど、自分もそれは思った。1巻の32Pで才人(主人公)が「魔法学院! 素晴らしい! 全寮制! 素晴らしい! そんな映画があったなあ!」と内心でつぶやいてるところを見ると、少なくとも無意識に似てしまったということではなさそうだ。やはりあのローブというかマントのコスチューム(制服)は、少年少女向けのファンタジー世界のイメージにはすごく相性がいいんだと思う。もちろん、魔法学校という設定も。
ヒロインであるルイズがこと魔法に関して無能力に近いというのは意外だった。この手の強気なタイプはたとえ性格的には問題があっても本業の才能はありそうだから。まあ、たいてい、それは努力の結果にしろ天性のものにしろ限界があって、それを凌駕することになるのが主人公というのがお約束なんだろうけど、その必要がないのは才人がライバルではなく使い魔という立場で、魔法とは別の力を使うことに存在意義があるからかもしれない。
主人公の才人が程よくバカで、程よく熱く、程よくスケベだというのもいい。まあ、何でも程よく、と付ければいいというものでもないけど、要はいいバランスのキャラだということである。これが変に如才なかったり、クールだったり、朴念仁(あるいは極めて初心で奥手)だったりしたら話が上手く転がっていかないところだ。ヒロインのルイズが良くも悪くも堅いキャラなので、自分からある程度動くキャラでないと絡ませにくいという事情もあるかな。