田菜編から横浜編へ(12話、13話)

1クールかと思ってたら、しっかり公式で14話以降のスケジュールが書いてあって、しかも舞台が横浜に移るということを今更知る。
第12話「猫おどりの空に舞う」
結局、田菜編のテーマは「あっち側(非日常)」と「こっち側(日常)」は混ざってはいけないという事だったのかな。その二つをつなぐ存在だったわっくんと歩がどちらも孤独な存在で、単に似たもの同士としての結びつきにしか見えなかったからわかりにくかったのかも。わっくんはただのわがまま坊やにしか見えないしなぁ。
今回一番目立っていたのは美玖だと思うが、歩やわっくんに上で書いた世界の理を説く場面での堂々とした態度は老賢者か何かの魂でも宿っているようで、最年少のキャラクターとは思えない凄みがあった。全てがすんだあとは今までの大人びた態度が嘘のように年相応の、というかむしろ人見知りするような性格になっていて、そのギャップにちょっとクラクラ来た。
もう一人目立っていたと言えば、須河原アナ。真面目に本来の仕事をしている場面は初めてかも?(笑)*1 どっしるやしっしんを「現代の妖精―マテリアルフェアリー」と名づけたところなどは、第8話で見せたロマンチストぶりが現れている。結局、カメラには写っていないという残念な結果だったが、めげずに再び探求の意欲を燃やすのがなかなかかっこよかった。
歩が横浜へ旅立った後、潮音と美紀が会話する場面があるのだが、いきなり潮音が「あたし、やっぱりあんたのこと嫌い」と言い出し、美紀も同様の答えを返すと、なぜか二人して笑い出す。なんとなく、わかるようなわからないような流れだけど、拓馬を絡めての四角関係から歩が抜けたことで気が抜けたのか。あるいは、前夜の不思議体験が二人を(特に潮音を)変えたのか。
第13話「谷川希紗と見慣れぬ存在」
OPの映像の最後の方で出てくる制服を着た子が横浜編の主人公かと思ってたら、黒いロングスカートをはいた謎の少女の方だった。改めてOPを見てみると、前の方に一度、中盤にもう一度(足元を写した映像)出てきている。一番最後のもそうかな。
携帯はワニか何かを模した外観だし、街中の空間に一人でじっと座っていかにも怪しいキャラだが、声は意外にキュートで、ほのかな色気さえある。まあ、聞く人によっては歩の声もただの愛想なしでない魅力を持つのかもしれないけど。
しかし、またしても不登校学生なのはいいとして、そのことを心配する理絵子を内心で(うざい*2、放っといてくれないかな)とうるさがるという、困ったちゃんな性格まで歩に似せなくてもとは思った。歩に比べれば(独り言が大半だけど)多少口数も多いし、ジャンクっぽいものを集めるという行動にポリシーを感じないではないので、丸っきり無気力な風にも見えないが。
そのジャンク集めの一環で持ちかえった自力で動く楕円形の物体にさしたる疑問も抱かず、まるでペットでも拾ってきたかのように食事を用意するのにはちょっとびっくりだが、以前にもそういうものに触れたことがあったのか。もしくは、前衛芸術の作品じみた部屋の雰囲気からして、変わったものであれば何でも受け入れるという感性なのかもしれない。
それにしても、寝る前に希紗がおもむろにドレスやらストッキングやらを脱いでいくのを多少引いたカメラとはいえ逐一映像として写しているのは、そこまでのダウナー系なノリを忘れさせるほどのインパクトがある。(笑) 挙句、窓の外の異変*3を見るためにベッドから這い出したところまで横から後ろから撮ってるわで、本当に油断のならないアニメである。

*1:自分は5話までを見ていないので、確信は持てないけど。

*2:その前に、「心配してくれるのはいいけど……」とあるだけましか。

*3:空に迷路のような異空間が出現した。たぶん、EDに出てくるあれだろう。