「マリア様がみてる 4」の感想

マリア様がみてる 4 (マーガレットコミックス)

マリア様がみてる 4 (マーガレットコミックス)

なぜか表紙が志摩子さん。まあ、全巻通して主役という話のないキャラだから、たとえロサ・カニーナが第一の主役だとしてもここはいい機会なのかもしれない。もしくは作者の好みか(第一巻の枠外で「長沢にオシ(二押し)の人」とある)。それにしても、巻の真ん中あたりにあるチア・リーダーのコスプレをした志摩子さんの萌えキャラっぷりはすごいな。何か作者は志摩子さんを内気で慎み深い大和撫子キャラと勘違いしてないか。(笑) ポニーテールにした髪とリボンが凶悪。
雑誌で読んだ時はずいぶん野暮ったい気がした絵だが、単行本で見ると多少印象が違う。雑誌の紙質だと線が太く見えるせいもあるのか。ただ、祐巳の顔が細長くなって目が小さくなっているのはやはり気になるけど。あと、他のキャラにもいえることだが、鼻の描き方が変わっているのが野暮ったさの原因かも。微妙にふっくらした感じになっているというか。
原作だと蓉子さまもどきになりがちなロサ・カニーナを、漫画版では髪にウェーブをかけることで差別化を図っている。祐巳の髪に与えたアレンジ*1と似ているかな。マダム風でちょっと高校生には見えないのが難だけど。最後のロサ・ギガンティアと会話しているところだけ急に若返ってかわいくなっているのには笑った。好意的に解釈するなら、好きな人の前では大人びた仮面がはげて素顔が見えるという演出とも言えるが、どちらかというと絵が安定していないという一例だろうな。
絵のことばかりでは困るので内容についても。今回は各キャラ同士が淡々と会話している印象があって若干地味な感じを受けた。学園祭のような動きのある舞台設定がない話なのでキャラを動かしにくいのかもしれないけど。にぎやかし役のロサ・ギガンティアがシリアスな顔を作っている場面が多いこともあるし。由乃さんのむやみに攻撃的な言動が、そういう意味では雰囲気を単調にしないための良いアクセントになっている。
次は定番のバレンタインの話だから、漫画的な躍動感も出しやすいかな。個人的にはアニメ版第一期屈指のできだった「紅いカード」も描いてほしいけど、難しいだろうか。

*1:祐巳の場合は癖っ毛という設定なのでむしろ漫画版のほうが正確とも言えるのか。