「マリア様がみてる 4」の感想
- 作者: 長沢智,今野緒雪
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/06/24
- メディア: コミック
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雑誌で読んだ時はずいぶん野暮ったい気がした絵だが、単行本で見ると多少印象が違う。雑誌の紙質だと線が太く見えるせいもあるのか。ただ、祐巳の顔が細長くなって目が小さくなっているのはやはり気になるけど。あと、他のキャラにもいえることだが、鼻の描き方が変わっているのが野暮ったさの原因かも。微妙にふっくらした感じになっているというか。
原作だと蓉子さまもどきになりがちなロサ・カニーナを、漫画版では髪にウェーブをかけることで差別化を図っている。祐巳の髪に与えたアレンジ*1と似ているかな。マダム風でちょっと高校生には見えないのが難だけど。最後のロサ・ギガンティアと会話しているところだけ急に若返ってかわいくなっているのには笑った。好意的に解釈するなら、好きな人の前では大人びた仮面がはげて素顔が見えるという演出とも言えるが、どちらかというと絵が安定していないという一例だろうな。
絵のことばかりでは困るので内容についても。今回は各キャラ同士が淡々と会話している印象があって若干地味な感じを受けた。学園祭のような動きのある舞台設定がない話なのでキャラを動かしにくいのかもしれないけど。にぎやかし役のロサ・ギガンティアがシリアスな顔を作っている場面が多いこともあるし。由乃さんのむやみに攻撃的な言動が、そういう意味では雰囲気を単調にしないための良いアクセントになっている。
次は定番のバレンタインの話だから、漫画的な躍動感も出しやすいかな。個人的にはアニメ版第一期屈指のできだった「紅いカード」も描いてほしいけど、難しいだろうか。