「涼宮ハルヒの動揺」の感想・その3

ヒトメボレLOVER長門メインの話だが、その合間に結構ハルヒキョンの絡みがある。代筆、代読みを頼まれた告白文書をハルヒが見て誤解するシーンとか。キョンを問いつめるハルヒが「引きつったような笑み」だったというのがポイント。後から部室にやってきた小泉が、「お邪魔虫のようですので、(中略)お二人のおそらく犬も喰わないようなやり取りが一時的収束を迎えてから再訪することにしましょう」と余計な(あるいは的確な?)突っ込みを入れている。
あとは、165Pのハルヒの台詞だが、

「〜あんたが救急車で運ばれたときはあたしは心配してあげたわよ。あくまでそれなりにだけどねっ」
 俺の腕をぐいぐい引っ張りながらハルヒぶっきらぼうな口調で、
「みんなに迷惑かけたんだから」

これは非常に分かりやすい。まあ、この二人の場合は鈍感というより性格的に素直でないというべきか。
それにしても、「退屈」、「消失」で単なる無口キャラから気になる存在へと変わった長門に加えて、ハルヒまでが本人に自覚はないにしろキョンを意識するようになって、構図だけはすっかりハーレム形態のラブコメ状態になりつつあるな。122、123Pのキョンの独白は、そのことに対応するものと見てもいいだろう。「ハルヒ? ああ、あいつに関しては何も心配していない」とこれまた素直でない部分は相変わらずだが。