<第34話 「さくらと雪兎と昼の月」>の感想

ケロちゃんが月を見上げて「ゆえ……」とかつぶやいたりして意味ありげだが、こういう伏線はいずれ謎が明らかになるまではあれこれ考えすぎない方がいいかな。
クイズラリーのパートナーとして、最初はさくらと一緒に参加する流れだった知世が「ビデオでゆっくり撮れないから」とためらうのはいささか製作者の作為が感じられるところ。雪兎と二人きりにするという展開が先にある気がする。雪兎を見たさくらの目が文字通り「ハート」型になるのは笑えるけど。
クイズラリーが始まる前の説明を聞いている場面で、小狼の表情はかなり忙しく変化している。最初、根拠のない自信で始まる前から賞品を全て手に入れた気になっている苺鈴を見て呆れた顔をしていると思ったら、少し離れた場所でさくらと談笑している雪兎を見て顔を赤くし、直後、今度はさくらの笑顔を見てなぜかまた赤面している。次回、次々回の話を見るに、年上の同性を好きになるというやや特殊な恋愛感情と、同年代の女の子に対する極自然発生的な恋愛感情とのせめぎ合いなのか。
Catch You,Catch Me/ヒトリジメ
クイズラリーの途中で「ヒトリジメ」がワンコーラスかかる。<第21話 「さくらのながーいマラソン大会」>のマラソンのシーンで「Catch You Catch Me」がかかったのと手法としては同じかな。今回は雪兎と二人きりという状況のさくらの心境にシンクロしているから、なおさらはまっているわけだが。
最後の10問目で出題係になっている観月先生が「じゃんけんで勝った方に(クイズに)答えてもらいます」と言っているけど、じゃんけんをしたあとにそのことを宣言するというのはいわば後出しじゃんけんみたいなもので、答えさせたい方を選べる仕組みになっているのでは。もし雪兎に答えさせたいなら、「負けた方が答える」と言えばいいわけだから。先の展開はわからないけど、何となくいずれ敵に回りそうな先生のちょっとした意地悪、という感じがする。
どうでもいいけど、エンディングのスタッフロールの原画のところに「菊池洋子」とか「柴田淳」とか見たことのある名前が。