「マリア様がみてる 3 〜いばらの森〜」の感想 その2

昨日はちょっと真面目に感想を書きすぎたので、もう少しミーハーなのを。いわゆる「萌え」的な見所など。
<漫画版オリジナルな部分>

  • 冒頭、祐巳が日本史の試験勉強をしているときにうっかりページを破いてしまう。テープで修繕しているのが庶民らしい技。
  • 蔦子さんの眼鏡を外しての即興演技。これは昨日も書いたが。眼鏡をかけていない蔦子さんはなかなかイメージしづらい。
  • 紆余曲折の末、コスモス編集部に突撃をかけることになってしまった事態を受けて、令さまがため息と共に吐いた台詞、「祐巳ちゃん、こんなん(由乃さんのこと)だけどよろしくね」。基本的にはかっこよく描かれている令さまだが、ここはわがままな妻に手を焼く苦労性の亭主といった塩梅。
  • 成績表を見て安堵している祐巳を写真に撮って蔦子さんが「大丈夫よ 祐巳さんにしか興味ないから」。祐巳の「と……っ 撮った!?」を受けてのものだが、どこまで本気なのか。
  • 聖が栞の手紙を読んでいるところに蓉子が山百合会の仕事をするように言いに来る。それに「うるさい小姑さん」と軽く応じたあと、栞が去ったクリスマスの日、手紙を書くように説得してくれたことへの感謝を表わすために、声には出さずに口の形だけで「あ・り・が・と」。

<原作を上手に再現している部分>

  • 由乃って、こんなに目が大きかったんだ」(原作28P)。実際には令の内心の台詞は描かれていないが、びっくりしているのはよくわかるようになっている。
  • その直後の由乃の「三つ編みの先をいじりながら、不完全燃焼って顔をしていた」(原作29P)。この辺は実に細かい。
  • 「やらなければならないこと(試験勉強)」がわからない祥子さま(原作46、47P)。持つべき者の本人は意識していない恐ろしさがここに。再現度云々はともかく、このシーンの祥子さまは非常に美しく描かれていると思う。
  • 「幼稚舎の子供みたいな顔して飾り付けしているロサ・キネンシス」(原作196P)。後半の「白き花びら」でも魅力的に描かれている蓉子様だが、この一文をひとコマとはいえ、きちんと絵にしているのはすばらしい。

(追記:最後の「幼稚舎の〜」はもう一度絵と文を見直したら、正確には195Pの「ロサ・キネンシスなんか楽しそうに、画用紙にホイル貼ってこしらえた王冠被ってティッシュの花なんか作っている」の方だった。まあ、大意は変わらないけど)