かしまし第4巻/桂遊生丸
- 作者: あかほりさとる,桂遊生丸
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/10/27
- メディア: コミック
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個人的にはどうしてもとまりサイドで読んでしまうのだが、多分、ライバルのやす菜が人間としてでき過ぎているからだろうな。傍観者の立場のあゆき程ではないにしても、三角関係の当事者の一人とは思えないくらい迷いがなく見える。一種の「形見」であるプレゼントを受け取ることについての反応を見ても、達観し切れていないとまりの方が人間味があるように感じられるのも仕方のないところかも。少女漫画的モノローグも活発な見た目のとまりがするとイメージとのギャップがあってより効果的になるような気がしないでもない。
まあ、物語のセオリーとしては第2巻に続いてキスをしているやす菜の方が一種の既成事実を積み上げている感じで有利だったりするのかもしれないが。前回と違って今回ははずむの方からしているわけだし。二人で抱き合って大泣きするというとまりのシーンもいいのだが、あえて言うなら男女の別なく成立する感情の極みという可能性もあるので、こと恋愛についての必須イベント(?)としては弱い気もする。
いずれにしても、第3巻で明らかになったように、はずむが生き続けるためには「他者の運命因子に寄り添う形で生きること」が唯一の道なので、結局はずむの気持ち次第ということになるわけか。