おまかせ精霊/青木もあ

maeoki2007-01-31

表紙のヨリさんは手を後ろに上げてなにやらセクシーなポーズ。各話の扉にも皆勤賞だし、まさにこの作品を引っ張るキャラといえる。
そのヨリ(依)さんだが、改めて初めから読んでみると第1話ではかなり積極的で活発な性格に見える。初対面にも関わらずタメ口で、表情豊かに精霊研究会への勧誘を行うさまは、とてもこれが精霊とは思えないさばけ方である。マスターの我妻(あずま)先輩が一緒にいると引いた立場になるせいか、そこまで表には出てこない感じだけど、他の精霊に対してはお姉さん的に振舞うこともあり、人と精霊の橋渡しをするにはちょうどいいポジションかな。
あと、見どころとしては我妻先輩とのいちゃいちゃぶりか。これで先輩が男だと主人公の任田(とうだ)君も心中穏やかでなかろうが、女同士なので安心。まあ、百合というほどの濃い描写も出てこないし。*1
次に目立つのがホマレ(誉)。マスターの讃井(さぬい)*2が一種の男版ツンデレなのだが、それを上手く乗せるためなのかどうか、「すばらしい!」の言葉と共に紙吹雪を出し、扇であおいで褒め称えるという芸を持っている。ロングスカートのコスチュームとかウェーブのかかった髪形とかお嬢様風の見かけもあって、非常にわかりやすいキャラの立ち方である。
ヨリとは違って讃井への気持ちが第一なので、お互いのマスターや精霊としての立場が確立されるとそれ以降の話が作りにくそうなのが難だろうか。自分を媒介にして誰かが心で思っていることを他の者に伝えられるという力もあるから、そう空気キャラにもならないだろうが。
任田の精霊であるセイ(成)はまだ手のひらサイズと小さくて、言葉も呼び出された時の「やー!」しかしゃべれないのでこれからかな。任田にとってはまだペットのような認識だろうし(今月号では「娘みたいなもんだよ」といって怒らせている)。しゃべれないがゆえのコミュニケーションギャップに悩むところが可愛かったりもするから、すぐにしゃべれるようにはならない気もする。
キャラだけで作品を語ってしまったけど、いずれにしても、何かと戦闘要素の入る(それがラブコメであってさえ)作品が多いアライブ陣の中ではこのまったりムードは貴重といえる。そういえば、某ヤングアニマルにも植物の妖精のまったり漫画があったなぁ。あちらは4コマだけど。

*1:第2話でのヨリさんの台詞によると我妻先輩は「友達がほしかった」からヨリを呼び出せたらしいが。

*2:どうでもいいが、マスターの名前がどれもその読み方では一発変換できない名前なのは作者の趣味なんだろうか。