ばんがいち3月号

maeoki2007-01-20

表紙 何か違和感を感じる絵だと思ったら、背景に青い空があって服も青だと冬の季節にはちょっと寒々しいということだろうな。次の号が出るまでは公式サイトで大きなサイズの表紙絵が見られる*1
ぱすかる!(苺野しずく 妙な熱さがある作風だ。少女漫画を意識したような各キャラの容姿*2や服装がまず挑戦的で、終始女性二人が目立つ展開も一般的な3P展開(?)とは趣が異なるような気がする。冒頭で主人公の女の子が自分の好きな人の情事をのぞき見てしまったときに一人つぶやく

ああ神様… 月葉は夢を 悪い夢を見ているのでしょうか…?

や、最後に恋のライバル宣言をするときの台詞

恋の快感と 今日の快感 忘れたくない*3

がやたらと芝居がかっており、現代的な服装をした普通の女の子の言葉としてはちょっとかっこよすぎて違和感があるのが熱さを感じる原因だろうか。
で、ここまで書いておいて個人的にはそれほど気に入ったわけでもないというのが何とも難しいところなのだが。やはり絵のエロさが足りないのかなぁ。
 TS☆ストーリー(千葉哲太郎 女顔の男の子が突然女の子になってしまってクラスメイトの男子一同に襲われる話。しかし、いくらかわいいとはいえ、元が男である子に欲情できるものだろうか。まあ、この話の場合クラスの皆が流れ星に願いをかけたら(「ユーキ*4が女の子になりますように」)、奇跡でも起こったのか正真正銘の女性になってしまったわけだから意外と気にならないのかもしれないが。
主人公の子が割合強気な性格をしているのがクラスメイトたちの暴走を引き立たせているのはいいと思う。これで従順な性格だと面白みがないものなぁ。ちなみに、基本的にコメディなノリなので暗さはない。いや、あくまでもフィクションだからいい話なのは間違いないけど。
酔いどれ吐息(青木幹治 展開そのものは割と普通で、昔から好きだった親戚のお姉さんが悪酔いして襲われたという話。
気になったのは泣き上戸でもあったお姉さんを慰めるために言った主人公の台詞「俺は 美咲さんが好きだよ! 基本的には!」である。自分もよく使う言葉なのでちょっと親近感が沸くのだが、こういう場面で曖昧な要素を含む言葉は使わない方がいい気もしたりして。まあ、この話ではその直後に「ホント?」「ホント!」というやり取りがあって事なきを得るわけだが。
白い恋人榎本ハイツ 今のところ、この雑誌の購入理由の第一にある作家*5。タイトルのベタさ加減の通り、今回は少々おバカ風味である。
のっけから男前な青年が真面目な顔して言う台詞が「乳を搾りに 来ました」で、その次の場面では真剣な表情で乳を搾る男を見て牛舎の娘が自分の乳を搾られているように感じてしまうという、いかにもフィクションらしいオーバーな反応を見せるしで、これはどう見ても一種のシリアスギャグというやつだろう。女の子の「オラ、〜だっただ」という、今時珍しいくらいのわかりやすい東北なまりの言葉とか、男がかぶっているハンチング帽とかレトロな要素も多分狙ってのことじゃないかと。
なかなか楽しめたけど、やはり「柳田君と水野さん」の続きが読みたいなぁと思っていたら、巻末の作者コメントに「そろそろ例のツンデレ娘の話が書きたいですねー。」とあるから、かなり脈有りかな。

*1:コアブックスの通販サイトでは過去2年くらいまでの号の表紙が見られる。半年以内くらいのものまでしか在庫はないようだが。

*2:釣り目の美形が二人いるから特にそんな風に感じるのかも。

*3:ご丁寧にも書き文字で「きりりっ」とある

*4:主人公の(元)男の子の名前。

*5:ばんがいちでは’06年の8月号から?