パンプキン・シザーズ第3話「其は尊きものなりて」

maeoki2007-01-19

展開はほぼ原作通りだが、多少細部が違っている。朝食の席に姉二人がいるのは、彼女らがアリスの服装の無骨さを指摘することで3課の話題への導入をしやすくした感じだけど、一種の顔見せかな。また、少尉がフォークを口にくわえているカットは子供っぽい表情でかわいいが、貴族令嬢としてはちょっといただけない仕草かも。
その席とあとで出て来る軍隊の食事のシーンもそうだが、食べ物が美味しそうに描かれているのはいい。1話の伍長が食べていたサラダ、2話の子爵が床に捨てた肉料理も共に題材的には寂しいものながら色合いがどぎつくなくて自然だった。基本的には背景などもきれいでいいが、人物の顔が多少不安定なのは気になるところ。
トンネルに閉じ込められた子供を救うために少尉が中に入るシーンでは父親も一緒に入るのが原作とは違う。少尉と会話させることで貴族のイメージが彼の中で変わるところをわかりやすく示したと見るべきか。過去の工事で人が閉じ込められた時に軍が助けなかったという部分もアニメオリジナルで少尉との対比になっている。
どうでもいいけど、少尉が気絶したあとで伍長が食事をとるように勧める場面もちょっと違っている。原作だと無理やり食べさせようとして叩かれるのだが、こちらはそれがない。伍長が3課と民衆の関係を医者と患者にたとえて

患者は医者に 自分と同じ病気に罹って欲しいと思うでしょうか
痛みや苦しみをわかって欲しいわけじゃない
“救って欲しい” それだけです

と言うのを聞いて、自分が食事をとらないことの無意味さを少尉が悟るという流れは確かに筋が通っているのだが、この二人がいわばじゃれあってるシーンだけにちょっと惜しい気も。