愛情表現/鬼ノ仁
- 作者: 鬼ノ仁
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2006/11/29
- メディア: コミック
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そういう風に、マニア内での知名度が高い作家(帯の文句を借りるなら「美少女コミック界の頂点」)が待望のデビューというわけで、日本球界の大物がMLBに行くがごとくである。しかもこの作者の場合、絵にしろ話にしろ異様にリビドーが高い雰囲気だから、それを一般の世界でも見せられるのかどうかという。
それで結局どうだったかというとエロシーンの濃いノリ自体は成年コミックの時と変わっていない。正直なところこれが一般でいいのかと思うくらいで、大判コミックスだから雰囲気的にもそっちじゃないかと思ったり。まあ、主役のカップルがキスまでしかしない(しかも不自然でない展開で)話も二編ほどあるけど。
お話的にはすべての作品がハッピーエンドで終わっており、エロ漫画では結構欝になるような話も多かった印象があるからこれはちょっと意外だった。厳密に言えば、「特急、深夜」は解釈次第でいわゆる夢落ち的なものになっている気もするから完全に全部とはいかないかもしれないけど、タイトルの「愛情表現」はこれだけラブ度が高いからこそかな。
個人的には、「ほしにねがいを」が超ベタなラブコメ展開ながら随所に小技を効かせていて*2よかった。天然かつ一途なヒロインはこの作者の描く女の子の透明感のある表情が最も生かされていると思う。