第12話〜14話(最終話)

第12話 ライブアライブ

時間に制限のあるアニメだし、何曲も用意するのは難しいのはわかるんだけど1曲目から観客がノリノリになっているのはちょっと違和感があるなぁ。バニーや魔法使いの格好をしたメンバーがいるバンドの、でもなぜか異様に上手い演奏というシチュエーションにそんなにすぐには順応できない気もするのだが。
ともかく、どう見ても高校生の軽音楽部のレベルを超えた演奏なのだけど、1曲目のハルヒの表情がえらく怖いというか気合が入りすぎで、二次元キャラの記号的なかわいさをわざと無視して描いている感じである。多分、わずか1時間の練習で歌えるようにしたとはいえ、余裕はなかったハルヒの必死さを忠実に再現したらああなったということなんだろうな。

第13話 涼宮ハルヒの憂鬱

お話的にはハルヒの一人語りが唯一の見所みたいなものなので、それほど書くことはない。原作225P、226Pの30行以上もある長台詞を本当に一つ残らずしゃべらせたのはここまでの製作スタンスを見れば驚くことでもないけど、改めて文章で見ると長いことは長い。そういえば、この中で父親のことを「親父」とハルヒが言っているけど、ハルヒの家族は出てこないんだよなぁ。基本的にこのシリーズはキョンの妹ぐらいしか目に見える形では登場していないから、特に何か理由があるわけでもないんだろうけど。

第14話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅵ(最終話)

冒頭のキョンの「自称、宇宙人に造られた人造人間。自称、時をかける少女。自称、少年エスパー戦隊。――」のモノローグはアニメ独自のものかと思ったらしっかり原作の250Pにあった。第7話の時も思ったことだが、アニメで見ると今まで気に留めてなかった部分に気づくというのはあるな。スタッフロールが終わった後の、市内探索パトロールキョンハルヒしか参加しないという状況も今更ながら気づいた。主人公とヒロインを二人きりにするために他の3人が気を利かせていなくなる、などという王道ラブコメ的シチュエーションをさりげなく用意していたとは。
結局、シリーズの第1巻のラストがアニメのラストにもなったわけで、第3話の辺りで考えた予想が当たったのだが、一つの締めとしてはやはりこれが一番いい気はする。よく言われるように、1巻で完結している話というのもまるで間違いでもないだろうし。

シリーズ全体の感想

第1巻の「憂鬱」を6回かけてじっくり作ってくれたこと、そしてキョンのモノローグを忠実に再現したことが勝因かな。第2話の感想でも書いたけど、これをマリみてのアニメでもやってくれていたらなぁ。
個人的なベストキャスト賞はやはりキョンを演じた杉田智和氏かな。時々ためを作りすぎてテンポを乱しているところもあったけど、大体において安定した演技で原作よりちょっと軽めな雰囲気がアニメとしてはちょうどよかった。他には、鶴屋さんの明るいハイテンションをきっちり出してくれた松岡由貴さんとか。
音楽は多少バリエーションに乏しいというか、結構何度も耳にする曲があった気もしたけど、逆に言えばそれだけ印象に残る曲が多かったということかも。そういえば、主題歌CDやキャラソンは出ているけど、サントラは出てないな。