第6話、第7話

アニメの感想は気を抜くとすぐに次が来てしまう。リアルタイムで結構見てはいるのだが、言葉を選んでいるうちに時間がたってしまうというか。

第6話 孤島症候群(前編)

冒頭、例によって古泉が古典的なミステリーの舞台装置「クローズドサークル」についてしゃべくっている場面は最初、他の作業をしながらだったので音を消して見ていた時は退屈な画面に見えたのだが、音が入ると印象がずいぶん違う。音楽が妙に不安感を煽る雰囲気でフェリー船上のさわやかな風景との違和感ありあり。まあ、わざとやっているのだろうけど。
島に着いて早速海で遊んでいる場面はある意味アニメ化の恩恵をもっとも受けているところで、主に朝比奈さんの水着姿をここぞとばかりに強調している。そもそも原作ではどんな格好をしているのかという描写がかなり不足している*1からこれはうれしい部分。音楽のわざとらしい明るさが後の惨劇を予感させるわけだが、ここまであからさまだとそれが製作者的に仕組まれたものであることもわかるので緊張感は出てこない。もちろん、このシリーズは怖がらせたり謎について悩ませたりするのが主眼ではないからそれでいいのだが。
あと、後半の王様ゲームをしている場面で長門が<後ろ向いて、振り返りながら『大好き!』と言う>をしているところはアニメオリジナルの部分で、狙ってやっているのだろうがかなり破壊力がある。やり直してもまったく変わらないのはむしろ当然と言うべきか。自分は特に長門萌えというわけでもないのだが、あざといと思いつつもちょっとクラッと来てしまった。原作者の文でこの場面を見てみたい。

第7話 ミステリックサイン

「あ、遅れちゃってごめんなさい――」
そう控えめに謝辞を告げながら現れたのは、部室専用のAngel、朝比奈さんcalling...

キョン役の人のアドリブなのか、アニメならではのアレンジも絶好調である。原作ではこの部分の後半は「無翼の天使、朝比奈さん」と割合抑制された表現だけど、それに比べるとかなり調子がいい。
コンピュータ研部長の部屋を探索している時に、ハルヒがベッドでトランポリンのごとく軽くジャンプしているのもアニメ独自の描写かと思ったら、ちゃんと155Pに「ベッドの上で跳ねながら」とあった。上の「控えめに謝辞を〜」云々の部分もそうだけど、文章だけの時は何となく読み飛ばしているところが音声で再現されることによって認識されるようになるというのが面白い。

*1:雑誌スニーカー2月号のインタビューで作者が「キャラクターの外見的な描写を細かくするのは、あまり好きではないんです」(9P)と言っているから意図的なものだろう。