かしまし 2

1巻を読んでいる時にも思ったのだが、これは果たして百合なんだろうか。初めから男の子の顔が見えないやす菜はまだしも、とまりのはずむに対する想いにはかつて男の子だった時のはずむの残像がある気がして何かもやもやする。やす菜に現状リードされて焦っているのだとしても、同性同士の恋愛感情に悩んでいる様にはとても見えない。まあ、1巻の第2話の報道陣から逃げた後のシーンであゆきが「…とまりは男の子の方が良かったってこと」と言っているから、いまさらかもしれないが。
一方、当事者のはずむははずむで、やす菜ととまりのどちらを選ぶかどうかについて悩んでいるのだが、これまた相手が同性であることは既に頭にないかのような雰囲気である。1巻の第3話の最後の方で自ら「女の子同士はコイビトにはなれないし」と言っていたのを忘れてしまったのか。
そんなわけで、主人公のはずむが女の子であることはほとんど関係ないくらい典型的な三角関係ラブコメ模様が展開されている。第11話のカレーを作っているシーンでとまりが料理の腕でやす菜に大きく劣っていることを悔しく思っているらしい描写や、第14話のとまりの台詞

やす菜ってさ 「女の子」を絵に描いたような感じだよな
清楚で 可憐で… 華やかでさ
あたしはさ やす菜みたいに綺麗じゃないから…

は普通、相手が男の子であることが前提になっていると思うんだけど、いいのかなぁ。
それにしても、元々女の子だったとしか思えないはずむのたおやかな美少女ぶりは今回、水着にエプロンに浴衣とコスチュームの大盤振る舞いでなおのこと強調されているのだが、それも表情や仕草の女の子らしさがあればこそ。100Pで「トースト・ベーコンエッグのせ」を食べている時のポーズなどはどう見ても女の子である。いや、当たり前なんだけど。