電撃帝王VOLUME8

そういえば、前号(VOLUME7)の感想を書くのを忘れていた。いまさら書くのも間が抜けているかもしれない。ともかく、最新号の感想。今号は妙にお風呂の(出た後も含めて)シーンがある作品が多かった。

シャイナ・ダルク(原作:中山文十郎、作画:緋賀ゆかり

二人の性格の異なる姫君が魔王の妾にやってきた、という話だが一見して何かエロゲーっぽい感じがつきまとう。まあ、ラノベでもいいが。
若い男の側に女の子二人を連れてくるという理由を作るために魔王だの勇者だのという日本の王道的ファンタジー設定を持ってくるのはいささか大げさ過ぎるわけで、そもそもこれからどうやって話を作っていくつもりなのか。エロゲーならそれこそ誰に会うかを選択肢で選ばせているだけでも話の体裁はつくわけだが、漫画ではもう少し山場的なシーンが必要になるだろうし。今回は勇者を迎え撃つという場面があるけど、毎回それをするわけにもいかないような。浴場で姫君たちとばったりとか、夜伽に二人が強引に押しかけるとか、サービスシーンはなかなかそつがないんだけど。

ガンナーズ・ヘヴン(袁藤沖人

絵も話も隙がない。どちらかというと単行本で一気に読んだ方がいい感じもするが、ページ毎の密度も十分ある。シリアスな話の合間に各キャラの素の部分を出させているのも余裕が感じられていい。

キョウハクDOG's(しゃあ)

高校生を手玉に取る幼稚園児とはちよの妹も只者ではない。まあ、手玉に取られる方にもそれなりの理由はあるようだけど。
ちょっと自分に酔ったりかっこつけたりするとそれが見事に崩されるのもフィクションのお約束というべきか。イケメン佐々岡、ちよの二人は完全にピエロというかおちょくられ役である。

こはるびよりみづきたけひと

まだ子供を産んだこともない女の子が赤ちゃんを預けられて悪戦苦闘といういわば定番のシチュエーション。ただ、世間的な常識がないアンドロイドのゆいがこれまたさわやかにおたく道を走る村瀬さんの持ち物で赤ちゃんをあやそうとするとどうなるかというと、それは「一人赤ちゃんプレイ」になるのだった。

かすみ荘便り(澁澤工房)

女性専用のアパートに若い男が間違いで*1入ることになって……というどう見てもハーレム型のラブコメ狙いの設定。のっけから裸にバスタオル一枚の美女とご対面とかサービスカットに余念がない。
痴漢呼ばわりされても「あんな立派なモノ(美女「まどか」の大きな胸)を見せられて冷静でいられるか!!」と開き直るあたり、主人公が割と強気というか受身でないのは良い。絵的には髪の描き方が多少重っ苦しいというか硬そうに見えるのがちょっと気になる。

地獄極楽TEMPEST(へかとん

前号で告知していた「マ)王の方の連載に集中するためにこちらはしばらくお休みするとのこと。個人的には非常に残念である。活劇や恋愛の本格的な作品の間の箸休めとしてはかっこうの雰囲気を持った漫画だっただけに。向こうはメディアミックスだから仕方ないかなぁ。

*1:名前の読みが「まさみ」だから女性と勘違いされた。