「風雲相討学園フラット」(同人ゲーム)の感想

相討ちネガティブギャングフリーソフト。マリア様ネタのWeb漫画やイラストで名前は知っていた。まあ、イラストはともかく、漫画の方はギャグとしてのアクが強すぎてちょっと受け付けないところもあるんだけど。
3キャラ程*1クリアしたが、結構いける。割とギャグ寄りのテキストだけどテンポは悪くないし、各キャラのかなり極端な性格付けもギリギリで魅力的な線を保っている。
極端な性格付けというのは、初対面でいきなり剣を突きつけたり(辻斬とす*2)、見た目は小学生だが怒ると本気で殺人的なパンチを見舞ったり(犬飼よしこまちこ「先生」。クラスの担任)、まあ、本当にそれだけだとかわいさの欠片もないわけだが、話が進むにつれて別の一面も出てくる。そのギャップがいい。いわば、超ツンデレとでもいうか。もちろん、初めから友好的なキャラもいるけど。

  • 黒岩葵 バイトを3つも掛け持ちしている強気かつ無愛想な勤労少女。押しに弱い、というのを見切った主人公に「あーん」を何度もお願いされて*3結局押しきられる、というシーンはなんともいえずおかしい。素直になれないキャラはそういうところから攻めるのか、という感じで。最後の告白で明かされる秘密についてはまんまとだまされた。(笑)
  • 宮本キンバリー 度を越した人見知りは時に相手を困らせることになる、というのがわかるキャラ。どうやって親交を深めればいいのかと思うが、そこは都合よくアシストするキャラがいるのだった。
  • 辻斬とす 武道少女と潔癖な性格の相性がいいのはこのキャラも例にもれない。その手のことが苦手なのに、主人公の前で恥ずかしい姿をさらす羽目になるのもある意味お約束で、何気に一番サービスシーンが多い。

選択肢が出る場面では好感度(0〜100)が画面に表示されるが、これがなかなかダイナミックな動きを見せる。話の展開によってはどれを選んでも下がる時があって途方にくれたりするのだが、以降の部分できちんと適正な選択肢を選んでいれば一気に盛り返す*4ようになっていて、気持ちの揺れを上手く表現しているなぁ、と。隠していたら効をなさないところである。
三日かそこらで出会いから恋愛の成就まですませてしまう、というハイスピードなシナリオ展開はフリーソフトとして仕方のないところか。でも、親しくなっていく過程のエピソードを増やせば十日くらいの話にふくらませることは可能だろうし、あと、最後のクライマックスに18禁なシーンを入れてくれれば*5商品としても十分価値が出ると思う。

*1:黒岩葵、宮本キンバリー、辻斬とすの順。

*2:本当にそういう名前。

*3:あくまでも食べさせるのは主人公である。弁当を作って来たのは葵だが。

*4:葵のシナリオだったと思うが、30台から80台まで急に上がったことがあったような。

*5:現時点ではない。CG集などでは書いているようなので少なくとも絵はそろうはず。テキストはまた別かもしれないけど。