第11話「泣き出しそうな田菜へ走れ」

毎度、内容を曖昧に表現しつつ叙情的なタイトルだが今回のは……? 
冒頭、傍から見れば初心な恋人同士にしか見えないだろう微妙な距離で話す潮音と拓馬は、

だって私、また変なもの見ちゃったんだもの。
どんな?
あのね……いい、どうせ馬鹿にするから、言わない。
ふふっ。
ほら、やっぱり。

みたいなやりとりだけ見ればいい雰囲気とも言えるんだけど、後ろにいたおじさん達の一人が差し出す傘を、潮音の気持ちを知ってか知らずか断ってしまうのでは先が見えているのだった。相合傘のチャンスなのに。
「猫おどり」の実態はコスプレダンス大会であるというのはアニメならではの仕様かな。「肉球エンジェルス」だの、「ラブラブ招き猫団」だのとチーム名もかなりおふざけが入っている。音楽が完全に若向け(ヒップホップなどではないが)だし。結局、深山三姉妹の出番は直前のリハーサルのところだけで、チーム名もわからずじまいなのはお約束とはいえ寂しい。コメディで恋愛寄りの話なら、彼女らが一同の注目を集めて優勝というような展開もありうるわけだが、キャラよりも世界観が優先される作品だしなぁ。歩のことで美紀をからかう

美玖:美紀姉(ねぇ)もそういうお年頃ってことですな。(意地悪そうな笑みを浮かべながら)
美紀:違っ――! なに言ってんの!
美佳:ほほう。(両手を頬に当ててにっこり)

のくだりはラブコメっぽいが。(笑)
一方、潮音と拓馬は祭りの最中になぜかプールサイド(学校のだろうか)で話していた*1と思ったら、「ごめん」、「すまない」、「海野とはつきあえない」と拓馬が別れ話を切り出す。現実を認めたくない潮音は、「やだ。聞きたくない」、「言わないで」と必死で言葉をさえぎろうとするが、いずれこうなることはわかっていたのかも。本当に報われない。どうでもいいけど、(プールの金網から降りた時に)乱れた浴衣の裾を潮音が直す一瞬をわざわざズームで写す必然性はないよなぁ。全く、油断も隙もない。(笑) <潮音→拓馬>、<拓馬→美紀>、<美紀→歩>、<歩→わっくん(?)>という三角だか四角だかの関係といい、不健全というかなんというか。

*1:内容が冒頭で話すのをためらっていた「変なもの」についてなので、人気がないところで二人きりでもあまりロマンティックとは言えない。