「処女はお姉さまに恋してる」の感想・その6

二ヶ月も放置していたのだが、新しいゲームを二つクリアした勢いで再開して、まりやとのエンディングを見た。
第一印象がよかったので、クリアするなら最初に攻略しようと思っていたキャラである。クリア後の印象も割と最初と変わらず。元気系(友達系)幼なじみの物語としてそつのない作りだった。大まかに言うと、「早く大人になった女の子が、新しい環境に入ったことで急成長した幼なじみの男の子に距離を感じて悩むが、最終的には自分の立つべき位置を見つけて二人の関係も上の段階に進む」ということかな。お嬢様女子高に潜入させることで成長のきっかけを作ったのが、他ならぬまりや本人であるというところも中盤で皮肉に働いている。そんな環境に適応できる男の子もそういるものじゃあないけど。(笑)
物語の最終盤でようやく瑞穂がまりやの気持に気づく(というかまりやが気づかせた)のだが、それまでのシーンでも幼なじみとしての気安さをいかして甘えてる場面があって、むしろそういう場面の方が持ち味が出ているのかも。寮の食堂で、由佳里の危機を瑞穂が助けたことについて複雑な気持が渦巻いて云々、という話をした後のやり取り、

(しきりに「まりやは可愛い」を連発して持ち上げる瑞穂の、昔の彼にはない如才なさを咎めるまりやだが、「まりやに鍛えられたから」と言われて結局折れる)
瑞穂 :「じゃあ、僕の所為にする?」
まりや:「んん……やっぱり、いい」
そう云って、まりやは僕の肩に頭を預けた。
まりや:「じゃあ…ついでに格好いいところも見せて」
瑞穂 :「………こう?」
僕はそっとまりやの肩に手を置いた。
まりや:「………………正解」

などは普通にいい雰囲気である。「格好いいところ」と言われて自然に対応している瑞穂も瑞穂だが。
そういえば、少し後のまた同じく寮の食堂で二人が進路について話している場面で、瑞穂が

「まりやは今までこんな楽しい学校にいたんだなって思ったら……羨ましくなったんだよ。もう少し、学校って云う場所にいたいと思った。だから、僕は進学する」

と言っているのは、某百合シリーズの「いとしき歳月(後編)」の59Pの聖さまの台詞、

「私は祐巳ちゃんを見ていて、もう一度学生をやってみようかと思ったんだ」

あたりを意識しているのかなぁ。

どうでもいいこと

「D-Spray」だの「Bad Name」だのとその手の描写が濃いゲームをした後だけに、この作品のHシーンがあっさりして見えることといったら無い。(笑) まりやが「瑞穂ちゃんのしたいこと、全部させてあげる」とまで言っているのにもう……。それこそ、寝ずに朝まで行為に没頭するくらいのことをしてもいいんじゃないだろうか。まあ、エロを求めるゲームでないことはわかっているのだが。