電撃帝王VOLUME5の感想

(注:印象に残ったもののみ感想を書いている)

・いおの様ファナティクス(藤枝雅 巻末の次号予告に「電撃大王9月号に登場!」とあるが、これからプッシュする気なのかなぁ。確かに、わかりやすいキャラ立てをしている作品なのでメディアミックスなどにも向いてそうだけど。
・キョウハクDOG's(しゃあ) これも一つのボーイミーツガールか。予定調和といえば予定調和だが、達者で魅力的な絵と要所で小技の効いた展開があれば楽しく読めてしまうものである。上手いことせつな(ハチ公)の後押しをしている美人教師こと上代せんせいがナイスキャラ。クライマックスでのせつなの台詞

(ちよさんの)”優しさ”って 誰かに何かをしてあげるだけじゃなくて
引き算の優しさ かな
一歩引いて 何もしないでいてくれる
そういう優しさだと思いました から

もちょっとひねってあっていいと思う。携帯を海に放り投げてから別れの言葉を言う時に、手で影絵の犬のポーズを作ったりという芸の細かい演出が光る。
巻頭のカラー広告によると10月27日に単行本が出るらしいが、巻数表示がついているところを見ると結構続けるつもりなんだろうか。
・WARNING!(あきばるいき) 少女漫画のよくある読みきりという印象。なぜこうも女性主人公の恋愛話に出てくる素敵な先輩というのは顔がいいだけの薄いキャラになってしまうのか。
・STRAY・RABBIT(はせ☆裕 「主人を持たない孤独な無敵少女アンドロイド」の主人になる為に男が取った行動が「結婚しよう!!」ってなんだそりゃ?(笑) ほのぼの4コマ漫画のような絵が終末世界のSF設定には合わないんだけど、上述のようにかなりバカっぽい展開なのでそれほど気にならない。
・ADELHEID(袁藤沖人 何やら自分好みのぬるい雰囲気になりつつある。主人がメイドにお料理を教わるなどという、ある意味ベタなシチュエーションをこの作品で見るとは思わなかった。まあ、単に仲良くするだけではないあたり、これがアデルハイド流のメイドいじりなのかもしれないが。コレットが椅子に座るときに足を開いているのはちょっとお行儀が悪いと思う。(笑)
・とらぶるういんどうず(栗橋伸祐 掲載までの経緯が問題だったらしいけど、内容自体は無難にまとめてあると思う。よくある「独身男の住まいに女の子が突然やってくる」という話の一つになってしまってはいるが。こういう話だとドジっ子Meがやはり一番はまるかな。個人的にはXPのスタイルのよさに惹かれるけど。
・地獄極楽TEMPEST(へかとん 今まで全然読んでなかったのだが、煩悩だらけの展開にやられた。若くてかわいくて胸が大きくて料理を持ってきてくれたりするアパートの管理人さんなんてファンタジーもいいところだけど。主人公は男だと思うが、なぜ一人称が「私」なんだろう。
・野の原村の虫部(原作:トメ太 作画:ピメコ) 「プラズマン」はどうなった? これはこれで十分面白いけど。己の欲望に忠実な主人公カン助の言動がいい味つけになっている。メイ子はプラズマンにおけるツバメに似ているが、ミカはいわゆる「ツンデレ」のタイプでなかなかポテンシャルが高そうである。
・はじめてのおにわばん(しらゆき昭士郎) 戦闘メイドものというジャンルがあるとすれば、その典型とはかなりずれた位置にある作風。作者は何か黒い情念でも抱えているのか。こういうのを見るとタバコっていい小道具だよなぁと思う。若頭の「やっちまえ〜!!」はどうにも迫力に欠ける一声。そんなだから娘一人にやられるのでは。