「処女はお姉さまに恋してる」の感想・その4

第四話「私たちの十月革命

奏のリボンを巡る話だけど、どちらかといえば貴子やまりやが目立つ話になっている。この二人にとって、瑞穂は単なる友人やクラスメイトではない存在になりつつあることをそれとなく示そうとしているのか。
他にはオカルトマニアの圭が、

「……人は皆自分のソリティアに夢中なの」
「邪魔者を排除して、大事なものを最後に一つだけ残して……それで全てが終わりとは限らないのに」

と恐らくは貴子についての評を述べたり、「犬」と「鍵」というキーワードでルート分岐の選択をたずねたり、と印象に残る役どころ。しかし、「革命」という言葉もそうだけど、そこまで大げさな言葉を使う事態ではない気もする。まあ、奏にとってはもちろん一大事であるのは確かなのだが。総会でのやりとりがもう少しお互い丁々発止だったらよかったんだろうけど、完全に瑞穂側の圧勝になっているし。

第五話「華麗なる陰謀劇?!(マスカレード)」

第四話でも奏をいじめていた生徒たちを諌めた場面があったけど、「やるときはやる」という瑞穂の男らしさ(?)が出ている話。
キスの練習や本番でひどく動揺する貴子は瑞穂に道ならぬ恋でもしているのか。生徒会長らしく生真面目な性格であるにしても女性同士にしては反応が過剰に見える。
お芝居の台詞を読むときの各声優さんたちの演技が妙にスムーズなのは、演技であることを隠さなくてもいいからかな。紫苑役の人が男性役をしているときの、むしろこちらが地声なのかと思うくらいのはまりようにはびっくりだが。そして、こんな時*1でも瑞穂は女声なのだった。
風邪を引いたまりやを瑞穂が看病するのはいいとして、その後まりやを指で責めたりしているのは医学的に見てどうなのか。(笑) まあ、一話で瑞穂を指でいかせたことの仕返しではあるんだけど。
演劇部部長という新たな一面が見えた圭は、今回もいろいろ印象に残る台詞をつぶやいている。

「さあ……脳がこむら返りでも起こしているのではないかしら……」(圭が全力疾走するところは想像できない*2、と悩む瑞穂について)
「突然思い立ったように後先考えずに行動し、何か事件を引き起こすとうじうじ悩むわりに、妙な正義感や義侠心に溢れている……」(瑞穂の人となりを評して)
「完全な人間なんて居ないわ。逆に、不完全だからこそ人間なんていうものはラブロマンス向きだと云えるんじゃないかしら……ね」(上の台詞を聞いて落ち込んでいる瑞穂を慰めるように)

*1:ロミオとジュリエット」のロミオ役

*2:紫苑のために紅茶ソーダを学外のコンビニまで走って買いに行った