フタコイ オルタナティブ「FILM 02 ノーネーム・デイ」の感想

緩急のある作りで飽きさせない。まあ、脈絡がないともいえるが。どういう経緯で白鐘姉妹が恋太郎の事務所を訪ねることになったのかとか、初対面で「ダサイ」だの「センスない」だの悪態をついていた沙羅がなぜ恋太郎*1を慕うようになったのかとか細かい部分はさっぱりだし。
でも、変に順序だてて説明するよりも個人的にはいいと思う。恋太郎の台詞にあったように「イメージ」をちりばめてなんとなくキャラをつかんでもらうというのもいいんじゃないだろうか。
また、作画が引き続きいいので動く場面でも動かない場面でも見栄えがする。むしろ動かない場面でこそ作画の良さが生きるのかもしれない。遠景と広角視点を多用するやり方は「月詠」を思わせる。商店街入り口からの視点はご近所さんから見た彼ら三人の立ち位置を見るものに把握させる狙いかな。
どうでもいいけど、松田優作とか尾崎豊のパロディ(というかそのままだが)は今の子供にはわかるのかなぁ。

(追記:以下は翌日付け加えた部分)

前回はもっぱら沙羅が一人でがんばっていたわけだけど、今回は常に姉妹が二人で行動している。荒事は沙羅、繊細な仕事は双樹という役割分担を改めて印象づける一方で、姉妹として息の合ったところも見せている。散歩の途中で恋太郎に幸せそうにじゃれついている場面とか、電話の取るの取らないので喧嘩した後しみじみと仲直りしている場面とか。気まぐれで騒がしく、時にのんびりとくつろぐ二人の様子を見ているとまるで猫のようだ。独身男の住まいに迷い込んできた白いメス猫二匹という感じで。

*1:しかしまあ、父親の愛之助もそうだがなんて名前だろう