<第22話 さくらとやさしいお父さん>の感想

別にこの話に限らないが、いい人ばかりがいる世界だなぁと思うことしきり。さくらにしろ桃矢にしろ、お父さんが論文の仕事で忙しいと見るや、率先して家事をこなしているし、よくできた息子に娘である。
クローカードとの戦いの弾みでお父さんのパソコン(とその中に入っていた論文用のデータ)を壊してしまったさくらが泣き出すのは見ていて痛ましいが、そこでタイトルにある「やさしい」お父さんの本領発揮。カードの存在を知らない人から見れば、悪ふざけで壊したともとれる状況なのに、何も聞かずに黙って許してくれるのであった。もちろん、普段のさくらの行いが良いこともあるんだろうけど。
もしかしたら、クローカードの力で元に戻すんだろうかとか、パソコンの中のデータは壊れていても、(この時代だから)フロッピーやMOにでもバックアップを取っているんじゃないかとも一瞬思ったが、もっとこの教育アニメにふさわしい落ちだった。すなわち、「原稿の中身は残っているんです。ここにね」(と額を指差す)」という優秀な頭脳を持つ人間ゆえの技。でもまあ、これもまるで頭に浮かばないではなかった。
細かいみどころとしては、さくらのパジャマの襟が天使のマークだとか、クローカードを封印するときのさくらのジャンプは小学生とは思えない大跳躍だとか。元々大崩れはしない作品だと思うけど、作画も良好だった。
クローカードを見つけて封印するという流れは毎回同じなんだけど、むしろ各エピソードの主眼はそこにはなくて、主にさくらとその周りの人々の優しさを引き立たせるためのきっかけとして使われていることが多いと思う。