ドロテア第3巻/Cuvie

maeoki2007-02-27

ドロテア?魔女の鉄鎚 3 (角川コミックス ドラゴンJr.)

ドロテア?魔女の鉄鎚 3 (角川コミックス ドラゴンJr.)

魔女として剣を振るうドロテアの前にワルドー派の長コンラートが登場。剣の技量では彼女を上回る腕の持ち主だが、少々狂信的な雰囲気で宗教思想しか眼中になくあまり大物には見えない。自分のパトロンを殺して領外逃亡ということでいったん物語上からは姿を消している。ドロテアのピンチを救ったギュルクが、自分の大事な幼馴染みを貶められたことに殺意を覚えてそれを笑顔で表明するというシーンは前2巻でもあった現代劇風味で、シリアスになり過ぎないという作者の持ち味が出ている感じ。まあ、再び出会ったら本気でかかるのは間違いないだろうが。
故郷のために自分の命もかけるというドロテアと最も大事なものがドロテアであるギュルクは意見が合わず、後半はちょっとすれ違いが生じている。娼婦頭のエデウィッヒ嬢が「しばらく距離をおいたら」とか「ギュルクのことは私に任せておいて」と微妙にちょっかいもかけているけど、これはあくまでも年長者からの助言としてだろう。エロ漫画ならドロテアがエデウィッヒとはりあってギュルクの寝所を襲うというような展開もあるかもしれないが、ストイックな今作品ではまずありえない。
ドロテアが寝ている間に荷物を探ったアントンが薬をくすねているのが気がかりなところ。どう見ても小物な割には3巻まで出てきているのは意外でもある。早いところ片付けてくれた方がすっきりするのだが。