ユリア100式1、2巻/萩尾ノブト

maeoki2006-12-19

ユリア100式 1 (ジェッツコミックス) ユリア100式 2 (ジェッツコミックス)
一人暮らしの男の住処にある日突然女の子がやって来る、というのは「落ち物」とか「押しかけ女房もの」という言葉があるくらいに定番のネタなのだが、そこにまた新しい切り口の漫画が出てきた。
何というか、ヒロインのユリアを「ダ○チワイフ」という実も蓋もないキャラ設定にしたおかげで、若い男女が同居していれば自ずと芽生えるであろう恋愛ドラマ部分がかなり抑制されている印象を受ける。まあ、ユリア自身が己の性的道具としての役割に忠実であろうとしているところが話の肝であり、毎度の暴走展開の原因なわけだが、そのよく言えば職人的なあり方が情的な部分を必要以上に出さなくしているのだろう。あと、主人公の瞬介がユリアの正体を知らないせいもあるのかな。
それにしても、この設定は上手いこと考えたというか、エロ先行でありながら嫌味がない(痴女的でない)キャラにしてくれているのがいい。一般誌ゆえに必ず寸止めで終わるのもこの漫画に関してはストレスにならないし、一種の様式美みたいなものである。ちなみに、画像は第7話で瞬介の許婚のまりあに遠慮して自らを回収してもらおうとしている場面。ちょっとSDキャラっぽいところがかわいい。