電撃帝王VOLUME4の感想

(注:読んでいないもの、印象に残らなかったものは除外してある)

・表紙裏に「ひぐらしのなく頃に」の広告が!
私立! 三十三間堂学院(ノベル:佐藤ケイ、イラスト:かみやまさき) なぜ「私立!」の後にエクスクラメーションマークなのだろう。それはともかく、「大人気御礼!」で巻頭カラーらしいが本当かなぁ。「新しく共学化した学校でなぜか唯一の男子生徒になった主人公は……」というあざとい設定とか、結構かわいくてエロめなイラストとか受ける要素はあると思うけど、ページ数が少ない(6P)ので単なるキャラ紹介の域を出ていない気もする。ゲームやアニメの販促的作品であればまだわかるのだが、電撃文庫の本一冊のためにここまでプッシュするというのも。
K-BOOKSの広告の背景イラスト(Sin-Go)は、胸の脇から腿のあたりまでサイドが開いている極端に裾の短いドレスを着た少女が、お尻のあたりを隠すようにして顔を赤らめながら(涙目で)こちらを睨んでいるという絵。ぴっちりした生地のせいでお尻や胸の形がはっきりわかるものだから、いやらしいことこの上ない。
いおの様ファナティクス藤枝雅) 早い話が百合系なのだが、見事に女性キャラしか出てこない(追記:よく読み直したら、女装キャラがいた)。絵にしろお話にしろ、それほど度肝を抜くようなものではないんだけど、まったり&ドタバタな雰囲気とテンポは悪くない。
WTO海藍) 「萌え4コマのエース」ということだけど、異様に縦に長い目が気になる絵とか、よく言えば力が抜けている、悪く言うなら覇気のないキャラが肌に合わなくてあまり楽しめない。
おまかせ! マイシスターみづきたけひと) 双子の実物として言わせてもらえば、ここまで性格が違うというのはフィクションのお約束とはいえ、違和感がある。あと、漫画家のサイン会ならサインだけでなくイラストを頼まれるという事態もありうると思うのだが。
ADELHEID袁藤沖人) 大槍葦人氏に似たタッチの絵だが、基本的な画力は高くて素人からすれば圧倒されるような代物である。背景や小物、衣服にいたるまで異様な描きこみ具合で、正直なところ漫画としては不必要なぐらいの描写だとすら思える。
簡単に内容を言うなら、苛烈な性格の女主人に仕える健気な少女メイドさんの話。でも、そんなに雰囲気は重たくないし、たまに出てくるデフォルメ絵がいいアクセントになっている。
キョウハクDOG's(しゃあ) 等身が低くても色気のある絵って好きだなぁ。前髪が垂れた耳のように見える犬系のヒロインが尻尾を振る仕草(のイメージ映像)もかわいい。ヒロインがイメージ的に犬化するのは主人公(♂)になついていることを表す誇張表現だが、主人公も時折犬化することがある。これは本来ワイルドなイメージを通している主人公が、隠れおたくの証拠であるフィギュアと一緒の写真をヒロインに撮られて言うことを聞かされているという歯がゆい状況で、吼えるに吼えられない葛藤が狼のようなイメージでより強調されているわけである。あと、この作者はオノマトペを表す書き文字の使い方が上手いと思う。
どうでもいいけど、制服のデザインが肩にケープをかけたような感じなのはすごくエロゲー風味。たとえば、KEYの作品によく出てきそうな。
翌檜コーポ プラズマン(原作:トメ太、作画:ピメ子) むっちりと色気のある絵にお馬鹿なノリは個人的にもツボ。季刊誌でのんびり連載しているのはもったいない。プラズマンの追っかけの女の子のハイテンションかつ天然ボケなノリも良い。読者コーナー(「悪じきの館」)は悪の組織「ウラミィ一味」が管理するという仕様で、イラスト大賞の投稿者を「今月の極悪人」と呼ぶなど洒落が利いている。
食玩少女レアだもん!!かのえゆうし) 一挙に3話掲載だが今一つ。コスプレとかコミケとかのネタをちらつかせるのもいいが 、もう少しキャラクターの意外な面を引き出すようなお話作りをしてほしい。シャープで色気のある絵は好きなんだけど。
鳩がくる!!(塚本ひじく) なんだか最後まで読んでもほとんど落ちがない感じで落ち着かない。一種の不条理漫画?

3本お気に入りを上げるなら、キョウハクDOG'sADELHEID翌檜コーポ プラズマンかな。画力だけが漫画ではないけど、あった方がより見栄えはするのも事実。